特定技能1号の基礎知識と川口でよくある質問10選

特定技能1号は、人手不足が深刻な産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。ただし、試験に合格すれば必ず許可されるわけではありません。外国人本人だけでなく、受入れ企業、雇用契約、業務内容、支援体制なども審査されます。

この記事では、特定技能1号の基礎知識と、川口市で外国人を採用する企業や外国人本人からよく寄せられる質問を分かりやすく解説します。

※この記事は2026年9月時点の制度をもとに作成しています。

特定技能1号とは

特定技能1号は、一定の専門性・技能を持ち、対象となる産業分野で働く外国人のための在留資格です。

技能実習が技能の修得を目的とする制度であるのに対し、特定技能は、人手不足分野における即戦力人材の受入れを目的としています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 対象となる産業分野が定められている
  • 原則として技能試験と日本語試験への合格が必要
  • 日本人と同等以上の報酬が必要
  • 在留できる期間は原則として通算5年まで
  • 原則として家族の帯同は認められない
  • 受入れ企業などによる支援が必要
  • 同じ業務区分など一定の範囲で転職できる

特定技能1号で外国人を採用するためには、外国人本人の要件と受入れ企業側の要件の両方を確認する必要があります。

特定技能1号の対象分野

特定技能1号で働けるのは、国が指定した特定産業分野に限られます。

2026年9月時点では、次の分野が制度上の対象です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 林業
  • 木材産業
  • リネンサプライ
  • 物流倉庫
  • 資源循環

ただし、新たに追加された分野には、省令等の準備が整ってから受入れが開始されるものがあります。また、分野ごとに従事できる業務、試験、協議会への加入などの条件が異なります。

会社が対象分野に関係する事業を行っていても、外国人に担当させる仕事が対象業務に該当しなければ、特定技能では採用できません。

川口でよくある質問10選

質問1 特定技能1号になるためには、どのような条件が必要ですか?

原則として、次の条件を満たす必要があります。

  • 18歳以上であること
  • 希望する分野の技能試験に合格していること
  • 日本語試験に合格していること
  • 健康状態が良好であること
  • 適切な受入れ企業と雇用契約を締結していること
  • 素行や在留状況に大きな問題がないこと

一般的な日本語要件は、国際交流基金日本語基礎テストまたはJLPTのN4以上です。ただし、介護分野では、これに加えて介護日本語評価試験への合格も必要です。

技能実習2号を良好に修了した外国人は、一定の条件を満たすことで試験が免除される場合があります。

質問2 技能実習から特定技能1号へ変更できますか?

変更できます。

技能実習2号を良好に修了し、技能実習で行っていた職種・作業と特定技能1号の業務に関連性が認められる場合は、技能試験と日本語試験が免除されることがあります。

ただし、技能実習を修了していれば、どの分野にも無試験で移行できるわけではありません。

例えば、技能実習で行っていた作業と、転職先で予定している特定技能の業務に関連性がない場合は、新たに技能試験への合格が必要になる可能性があります。

また、技能実習中の出勤状況、税金・社会保険料の納付状況、失踪歴なども確認されるため、早めの準備が大切です。

質問3 留学生から特定技能1号へ変更できますか?

留学生からでも変更できます。

原則として、希望する分野の技能試験と日本語試験に合格し、対象業務を行う企業との雇用契約を締結したうえで、在留資格変更許可申請を行います。

申請では、学校の卒業状況だけでなく、出席率や学費の支払状況、資格外活動の範囲を守っていたかなども確認されることがあります。

特に、アルバイトで週28時間の上限を超えていた場合や、長期間の欠席がある場合は、在留状況について詳しい説明を求められる可能性があります。

試験合格だけで判断せず、留学中の活動状況も確認することが重要です。

質問4 特定技能1号で家族を日本へ呼べますか?

特定技能1号では、原則として配偶者や子を「家族滞在」で呼ぶことはできません。

ただし、配偶者や子が留学、就労など別の在留資格の要件を満たしている場合は、それぞれの在留資格で来日できる可能性があります。

一方、特定技能2号では、一定の条件を満たせば配偶者と子の帯同が認められます。

質問5 特定技能1号では何年間働けますか?

特定技能1号で在留できる期間は、原則として通算5年までです。

転職した場合や、一時帰国した場合でも、特定技能1号として日本に在留していた期間は原則として通算されます。

5年間働けば自動的に特定技能2号へ移行できるわけではありません。特定技能2号へ移行するには、対象分野であることに加え、より高い技能水準や実務経験など、それぞれの分野で定められた条件を満たす必要があります。

なお、介護分野では、介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」へ変更する進路が考えられます。

質問6 特定技能外国人は転職できますか?

一定の条件を満たせば転職できます。

ただし、自由にどのような仕事へでも転職できるわけではありません。転職先の業務が、本人の技能試験や試験免除の対象となった分野・業務区分に適合している必要があります。

また、転職先の会社についても、特定技能外国人を受け入れるための基準を満たしているか審査されます。

転職して新しい会社で働き始める前に、原則として在留資格変更許可申請を行い、許可を受けなければなりません。前の会社を退職したときや新しい会社と契約したときには、所属機関に関する届出も必要です。

質問7 給料はどのくらいに設定すればよいですか?

特定技能外国人の報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。

「外国人だから」「会社が住居を用意するから」といった理由で、不当に低い給与を設定することは認められません。

審査では、基本給だけでなく、手当、昇給、賞与、労働時間、控除内容なども確認されます。比較対象となる日本人従業員がいる場合は、その日本人の経験年数、担当業務、給与額などを説明できるようにしておく必要があります。

最低賃金を上回っているだけでは、必ずしも「日本人と同等以上」と判断されるわけではない点に注意しましょう。

質問8 アルバイトや派遣で雇用できますか?

特定技能外国人は、原則としてフルタイムで直接雇用する必要があります。

短時間のアルバイトとして雇用することはできません。また、派遣雇用が認められるのは農業分野と漁業分野など、制度上認められた場合に限られます。

飲食店、介護施設、食品工場、建設会社などが、通常の人材派遣として特定技能外国人を受け入れることはできません。

契約社員や有期雇用契約が直ちに禁止されているわけではありませんが、安定した雇用が確保され、契約内容が適切であることが必要です。

質問9 受入れ企業はどのような支援を行いますか?

特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、支援計画を作成し、外国人が仕事や日本での生活を円滑に行えるよう支援しなければなりません。

主な支援内容は次のとおりです。

  • 入国前の事前ガイダンス
  • 出入国時の空港などへの送迎
  • 住居の確保や生活に必要な契約の補助
  • 日本で生活するためのオリエンテーション
  • 市役所などで行う手続への同行
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談や苦情への対応
  • 日本人との交流機会の案内
  • 会社都合で雇用契約を終了する場合の転職支援
  • 定期的な面談と行政機関への通報

企業自身で支援を行うことが難しい場合は、支援の全部を登録支援機関へ委託できます。

質問10 川口市の会社が受け入れる場合、特別な手続はありますか?

特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人が働く事業所の所在地と住居地が属する市区町村に「協力確認書」を提出する必要があります。

例えば、勤務先と外国人の住所がいずれも川口市内にある場合は、川口市への提出が必要です。勤務先が川口市で、住居が別の市にある場合は、原則として両方の市区町村への提出を検討します。

川口市では、協力確認書を専用フォームから提出できます。基本的には同じ事業所で継続して特定技能外国人を受け入れる場合、外国人を採用するたびに提出する必要はありません。ただし、事業所の所在地や住居地などに変更があった場合は、再提出が必要になることがあります。川口市「協力確認書の提出について」

また、川口市には多言語による生活相談や日本語教室の案内を行う外国人相談窓口があります。受入れ企業は、社内の支援だけでなく、このような地域の支援情報も外国人へ案内するとよいでしょう。川口市「外国人相談窓口」

特定技能1号の申請で注意したいポイント

特定技能1号は、試験に合格して雇用契約を結べば、必ず許可される制度ではありません。

申請前には、少なくとも次の点を確認する必要があります。

  • 外国人が試験合格または試験免除の条件を満たしているか
  • 技能実習の職種・作業と特定技能の業務に関連性があるか
  • 予定業務が対象分野・業務区分に含まれているか
  • 日本人と同等以上の給与になっているか
  • 受入れ企業に法令違反や保険料の未納などがないか
  • 分野別協議会への加入など、各分野の条件を満たしているか
  • 適切な支援計画が作成されているか
  • 税金、社会保険料、年金などの納付状況に問題がないか
  • 留学生の場合、出席状況や資格外活動に問題がないか
  • 川口市などへの協力確認書の提出が済んでいるか

書類を作成してから問題が判明すると、入社予定日に間に合わないことがあります。採用を決定する前に、外国人本人と会社の両方について確認することが大切です。

川口で特定技能1号の申請をご検討の方へ

特定技能1号の申請では、外国人本人の試験や経歴だけでなく、会社の受入れ体制、雇用条件、支援計画、分野ごとの要件まで確認しなければなりません。

特に、次のような場合は早めの確認をおすすめします。

  • 技能実習から特定技能へ変更したい
  • 留学生を卒業後に採用したい
  • 初めて特定技能外国人を受け入れる
  • 試験が免除されるか分からない
  • 自社の業務が対象分野に該当するか判断できない
  • 登録支援機関へ委託すべきか迷っている
  • 入社予定日までに許可が間に合うか不安がある

当事務所では、川口市及び周辺地域の企業・外国人の方を対象に、特定技能1号の要件確認、必要書類の整理、申請書類の作成、出入国在留管理局への申請をサポートしています。